販売スタッフをしている人なら一度は経験したことがある接客中の「沈黙」。
すごく怖くて不安になりませんか。
お客様の立場で考えた時にスタッフが沈黙していると不安になりますよね。
今回は接客時の「沈黙」にどのように対処していくかポイントとコツをお話していきます。
沈黙しないコツ、沈黙してしまったときの対処のポイントは1つ。
準備がなによりも大事
しっかりと準備が出来ていれば、沈黙しないような会話のキャッチボールが出来ますし、
もし沈黙してしまったとしても上手く対処できます。

それでは詳しくお話していきます。
\今回はこのような流れでお話します/
- 沈黙してしまうシチュエーションとは?
- 一番大事な「準備」とは?
- 上手く話しを繋げるコツ
\接客全般のお話は「接客スキルの教科書」を確認してみてください/


沈黙してしまうシチュエーションとは
まず、接客をしている際に沈黙してしまうシチュエーションはどのような物があるのか考えていきましょう。
お客様の反応がうすい
お声掛けをした際に、「あぁ」「はい」など、返ってくる反応がうすいと沈黙しやすいですよね。
特にお客様に提案やご紹介をしている最中に返事がうすいと「次なんて言おう」と言葉がでなくなりますよね。
お客様の反応がうすい原因は4つです。
- 説明や提案を受けた事に対してお客様が検討しているから
- お客様にとって興味のない(必要ない)話のため
- スタッフがしゃべりすぎていて購買意欲が下がったから
- お客様がもともと反応の良いタイプではないから
このようにお客様の性格が原因の場合もあれば、スタッフの提案方法が原因の場合もあります。
わからない質問をされた
お客様から質問をされて答えられない時の沈黙です。
接客初心者に多い沈黙のパターンです。
接客経験のある人や場数を踏んでいるスタッフであれば対処可能なシチュエーションですね。
お客様が検討中の時間
お客様が最終決定を行う際におこりやすい沈黙です。
接客中は凄く盛り上がったり、反応が良く購入にむけてクロージングに入る時に起こりやすいです。
スタッフからすれば、お客様が決断されるまでお待ちする状況ですし、「購入されませんか?」と催促するわけにもいかず黙ってしまうシチュエーションです。
接客における「準備」とは?
接客中に沈黙してしまうシチュエーションにはどんなものがあるか考えてみました。
挙げてみたパターン以外にもたくさんの状況がありえますが、
どのような場合も「準備」をしっかりと行うことが出来ていれば沈黙は怖くありません。
「準備」には大きく分けて2つの要素があります。
商品に対する準備
お客様に対する準備
詳しくどういった準備が必要なのか説明します。
商品に対する準備
これは接客に入る前に準備することです。
\たとえば・・・/
- 商品の特徴
- メリットやデメリット
- 使用方法
- 注意点
- おすすめなアレンジ
- 似ているアイテムとの違い
そんなのもうやってるよ!
という声が聞こえそうですね。
商品知識はスタッフが最初に勉強することなので、きっとほとんどの方が出来ていると思います。
そこからもう一歩踏み込んで準備することで沈黙に対処できるのです。
自問自答の練習
「あなたがその商品を購入しない理由は?」
この質問に対してどんどん深堀して、自分ならなんて答えるのかを準備しておくことが重要です。
例えばブランド物の1万円の白色のティーシャツについて考えるとします。
私が購入しない理由で思いつくのは
- 1万円は高すぎる
- 白は汚れやすくて使いづらい
- ファストファッションで十分だと思う
3つほど浮かびました。
この理由から「買ってみようかな」と思わせるような回答を考えます。
「高すぎる」
→他のブランドで使われていない高級素材を使っているため、毎日着てもヨレない
「汚れやすくて使いづらい」
→洗濯のポイントや汚れが目立ちにくいカラーバリエーションもある
「ファストファッションで十分」
→トレンドに左右されないシルエットで年代も選ばない
こんな感じで、自分自身で何度も何度もツッコミを入れまくって、切り返す自問自答で練習をしておきましょう。



これでお客様の質問がわからずに沈黙してしまうことがなくなりますね。
お客様に対する準備
実際に店舗にご来店いただいている最中に行う準備です。
接客用語でいう「ウォッチング」や「アプローチ」です。
このウォッチングをしっかり行えていれば、お客様からの反応がうすくて沈黙する事がなくなります。
理由は「購買意欲の確認」「探しているアイテムの選定」「お客様の人柄」を事前に確認できているからです。
例えばウォッチングやアプローチの段階で「あまり購買意欲高くないな」と判断できていれば、
反応がうすくても「何かあればすぐにまいりますので、お声掛け下さい」とすぐに対応できます。
「Tシャツを探している」と予想が出来ていれば、たまたま見ていたジャケットの前で
余計なお話をしてお客様の時間を奪う可能性も低くなります。
\店舗でのお客様の情報収集に関してはこちらの記事でくわしくしています/
「正しい接客ウォッチングの知識とやり方」、「トップ販売員は動的待機で商品を売る」
「心をつかむトップ販売員のファーストアプローチ」ぜひチェックしてみてください。
沈黙しそうなときの対応法
準備を行っていれば沈黙せずに対応できるとお伝えしてきました。
しかし、接客業には予想外の事が起きるものです。
沈黙してしまったとき、沈黙しそうなときにどのような対応をすればいいか対応のポイントをお伝えします。
沈黙もあり
さんざん沈黙しない方法をお話しましたが、実は「沈黙もあり」なんです。
例えば彼女のプレゼントを選びにアクセサリー店に入ったとします。
あなたは、予算オーバーだけど彼女が絶対に気に入るアイテムと予算内だけどベストな感じがしないアイテムどちらを購入するか迷っています。
店員からそれぞれの特徴や提案の話をしてもらいました。



そんな時、あなたも黙ってしまいませんか。
彼女への大事なプレゼントでお金の問題もあります。
そんな中、店員にあーだこーだと話しかけられたら「黙ってて!」と思いますよね。
つまり、お客様が悩まれている様子であれば悩む時間をつくるべきなんです。
そんな時は「悩みますよねー」と一緒に黙り込んでもいいですし、
「他にもアイテムお出しできるので、何かあればすぐお声かけください」と一旦離れてもいいのです。



「沈黙は悪ではない」ということを頭に入れておいてください。
マイナスな発言は受け入れる
「えーこんなのが1万円するのー?高っ!」
このように言われたらどの様に対応しますか。
私もこのような場面に良く出くわし、黙っていました。
- 「だって価格は自分が設定したわけでもないし」
- 「相場それくらいでしょ」
- 「高いと言われても・・・」
このような感じで返答に困ったからです。
沈黙しないための対応は「マイナス発言を受け入れる」ということです。
1つ目の方法は、お客様のマイナス発言に共感する方法です。
「高く感じますよね。私も購入の時、ドキドキしながら買ったんですよ。」
「なかなか手軽に決断できる金額ではないですよねー」
シチュエーションや店舗の雰囲気によって対応は様々ですが、まず受け入れてしまいます。
自分がお客様の立場として「高いですね」と発言したとします。
「高いなーでも欲しいんだよなー」
と悩んでいたり
「うわ!この店こんな高い価格帯なんだ!」
と不安になっていたり
心の中で色々な感情が湧き上がっていると思います。
そんな時に「でもこれはあーだこーだで買う価値あるんです」と店員に言われたら
「売りたいんだな」と感じてしまいますよね。
つまりマイナス発言を聞いて、すぐにプラスの発言ばかりすると
売りつけられそうと感じやすくなるのです。
ポイントは伝え方の順番で、マイナスポイントを伝えて、プラスの要素を伝える事です。
①(共感)
当店でも価格帯が高いアイテムなんです。
②(マイナスの提供)
確かに希少な素材が使われているため、洗濯もネットに入れるかクリーニングに出していただくなど、ケアは少し大変なんですよね。
③(プラスの提供)
私も去年同じアイテムを購入して毎日のように着てネットで洗濯をしているんです。驚いたんですけど、1年以上着てるのにまったく首元がのびないんですよ。
このように話されると「首元が伸びない」というプラスのポイントが耳に残りませんか。
逆にマイナスな発言をプラスな発言に言い換える方法もあります。
先ほどの「高い」という言葉はマイナスな印象を受けますよね。
これを「高級感」と言い換えるとプラスに感じませんか。



心理学ではポジティブリフレーミングと言う様です。
マイナスの発言をプラスでかき消さず、マイナスはマイナスで受けとめる事でお客様は信頼してくださいます。
デメリットを理解しておけば、焦らずに臨機応変に対処できるため、沈黙を避けられます。
まとめ|お客様の前に立つ前にしっかり準備すれば会話の沈黙は怖くない
今回は接客時の会話で沈黙してしまう原因とその対策法に関してお話しました。
接客やお客様の対応に慣れる事でアドリブで話が出来るようになり、知らない事でも上手く対処できるようになります。
しかし、接客初心者を含めスタッフとして事前準備がなによりも大切です。
お話がどれほど上手でも、コーディネートのセンスが良くても、「そんなこともわからないの?」と思われたら
信頼感は低くなります。
会話中に沈黙しないようにするためだけでなく、日頃から知識習得やロールプレイングを行うなど
スタッフとして学習意欲を持ち続ける事が大切だと思います。



日頃の積み重ねが大事という事ですね!!
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