クロージングって何のことかわからない!
クロージングは知っているけど接客に必要なの?
ポイントと注意点を知りたい!
接客を行っていると高確率で必要となってくるこの「クロージング」のテクニックですが、
良く知らない、わからない!って方も多いと思います。
クロージングは営業や接客においてお客様に商品を購入していただくために、悩みを解決したり、背中を押して差し上げる一連の流れやプロセスの事です。
特に営業の場合に重要視されることが多く、契約書にサインを頂いたり、商談を成立させるために必要なテクニックやプロセスの過程を指します。
しかし、アパレル等の接客業において、このクロージングは少し考え方や進め方が違います。
そして売れる販売員はクロージングをしっかり実践できていますし、上手な方が多いです。
結論、私の考える接客においてのクロージングは、お客様の心をつかみ、最高の相談相手になる事です。
- クロージングとは何なのか
- クロージングのポイント
- 注意すべきこと
この記事の執筆者

10年以上接客業で働き、アパレル、美容関係、洋菓子、医薬品など様々なアイテムを扱ってきた経験があります。
販売キャンペーンで表彰を受けるほどの実力を身に着けてきた知識を活かし初心者に向けての接客のコツやポイントをお伝えします
クロージングとは何なのか
私は接客においてのクロージングとは、購入や商品決定に悩まれたお客様の背中をおす事だと考えています。
決断のための知識面でのサポートや使用方法の説明など「本当に私に使えるかな?」「買って後悔しないかな?」という悩みを極力減らす最後の手助けと言えます。
クロージングを調べると恐らく
・スティンザーの3原則
・ドアインザフェイス
・フットインザドア
このような心理テクニックを使いましょう!と言われることがあると思います。
これからお話する内容にこのテクニックに繋がる部分が含まれていると思いますが、
初心者の方にもご理解頂ける様にお客様目線とスタッフ目線で「どう感じるか」「どう思うか」と、
もっと簡単に理解できるように説明していきます。
お客様は悩んでしまう!その理由とは
それではお客様が悩んでしまう原因にはどの様な物があるのか考えてみましょう。
購入を考えて店舗に訪れて様々な原因でお客様は悩まれます。
その中には、「お客様自身で解決しなければならない部分」「スタッフで解決のお手伝いが出来る部分」
に分けられると思います。
- 金銭的問題
- お客様の好み
- 持っているサービスやアイテムとの相性や組み合わせ
- サービスやアイテムの情報・知識不安の解決
- 使用方法やアレンジ方法のお悩み解決
悩まれる原因のTOP3である
・金銭的問題
・他の商品と比較しての悩み
・1人で決められない悩み
に関してアドバイスしていきます。
金銭的問題
やはり金銭的な部分が一番悩む原因ですよね。
自分にとって妥当な値段なのか、無駄にならないか悩むからこそ迷ってしまいますよね。
この金銭的な問題に関しては、お客様が判断し、解決するしかない問題です。
高い、安いという考えはスタッフが決める事でもないですし、決められる事でもないです。
なので重要なのはどれだけその商品・サービスに妥当性と正当性があるのかをしっかりとお伝えする事です。
別にもっといい商品があるかもしれない
いいと思っている、欲しいと思っていても別のお店にもっといいものがあるかもしれないと悩んでしまう場合もありますよね。
私は家電でよく考えてしまいます。
定期的に新しくバージョンアップするアイテムの場合は、新しいものが出てから購入したほうがいいのかもしれないとよく悩みます。
この問題を解決するためには、スタッフが他店や他のサービスを含め「何が違うのか」「何が特別なのか」をしっかりと説明できる知識と技術を身に着ける事です。
選択の決め手となる一言がほしい
正直自分の中でほぼ購入が決定しているけれど、上記の値段や別の商品が頭の中でちらつき決定できない場合です。
意外にもこういうお客様は多いです。
決め手となる言葉が欲しいお客様の心理としては、「他人に判断を委ねたい方」「専門性のあるスタッフに決めてもらいたい方」「お客様の性格上、決定できない方」に分かれると考えています。
この悩みの解決法はスタッフの腕の見せ所だと思います。
どれだけ知識や技術を身に着け、どれだけお客様の心理を読み取り、いかにして購入したいと思って頂ける様な言葉を選べるかが重要となります。
クロージングで重要な3つのポイント
お客様が悩む原因にはどのような物があるのか理解できました。
それでは「どうやってその悩みを解決するのか」が重要です。
悩みの解決で難しい点は、悩んでいたとしても直接お客様から理由を明言して頂くことがまれだという事です。
皆さんもそうではないですか?
服屋で値札を見て「高いのでこちらでは購入しません」なんて言えないですよね。
なので、接客をする私たちは「何が理由で悩んでいるのか」を把握できない状態でクロージングを行う必要が出てきます。
具体的にどのようにお話を進めていけば購入に繋げられるのかお話していきます。
お客様の心理を読み取り、納得していただく
この納得していただくためには、お客様とお話をしながら
・表情
・お客様の発言
・手に取る商品やサービス
を見ながら「心理を予想」していきます。
クロージングにおいても商品提案でご説明しているように、お客様に質問やアドバイスを繰り返し
心をつかんでいくほかないです。
逆を言えば、商品提案の時点でしっかりとお客様の心をつかみ、しっかりとお話できていれば、
クロージングをする必要がなくなります。
つまりは、毎回お客様と接客を行い、最後にクロージングを促さなければ販売に繋がらないと悩んでいる方は、
商品提案をしっかりと反復練習をすべきです。



接客のステップに分けて説明をしていますが、本来どれか1つのステップでも販売につなげることが出来ます。
苦手だなと感じる部分を繰り返し練習する事で、すべてのスキルが上昇しますよ!
迷わず言い切る
「こちらがにあってます」 「こちらがぴったりです」
悩まれているお客様には自分の意見をはっきりと言い切ることが大切です。
ただでさえお客様は判断に迷いが生じている状態でスタッフまで悩んでしまうと
「今日はやめておこう」という考えに落ち着いてしまいます。
初心者スタッフだと、自分の決断に自信が持てず、一緒に悩んでしまう販売員がいます。
時には、共に悩む事でいい影響を及ぼすこともありますが、
商品決定に関わるクロージングの段階では共に悩んではいけません。
知識がなく、頼りない印象を与えてしまいます。
決して押し売りしようという考えではなく、
自分の考える選択肢をはっきりとお伝えし、購入するかどうかはお客様自身で決定していただきます。
以前シャンプーを選ばれているお客様で
肌に優しいシャンプーと髪のダメージに特化しているシャンプーで悩まれていました。
様々お話をして、どちらかを購入するというところまでは来たのですが
えーどうしよう迷うな・・・
とお客様で決定できない場面がありました。
私がそのお話の中で聞き出した内容は
・迷われているシャンプーはどちらも使用した経験あり
・家族で使用する
・以前は小学校低学年のお子様と使用したので肌に優しいものを選んだ
・今は子供も中学生
・お子様は女の子でバレー部
・肌のダメージが特に気になっているわけではない
・容量と値段の違いも悩みの1つ
このような内容を把握していたと思います。
このお客様に私が伝えたことは



2つのシャンプーの違いは
どれだけ頭皮と髪に刺激が無いように洗えるか、とどれだけ頭皮と髪のダメージを修復できるかの違いです。



お子様も中学校にあがり、様々な髪や頭皮へのダメージが気になる事が必ずあります。
私は、これからの事も考えてしっかりとダメージを補修できるシャンプーがおすすめです。
このようにお伝えして購入頂きました。
「必ず」や「これからの事も考えておすすめです」としっかりと言い切った発言をしています。
こうする事で、「納得性」「信頼性」を感じることが出来、決断を促せます。
理由と根拠を明白に伝える
迷わず言い切るためには、明確な理由を伝える必要があります。
理由をお伝えする際は、お客様の状況や要望を理解したうえで「なぜその商品がぴったりなのか」
を伝える必要があります。
ダメな例としては
先ほど2つほどご試着頂いて、Aの方がお似合いでしたよ!色も合いますし、着やすいですよね!どちらかならAがいいですよ!
いい例としては、



先ほどご試着頂いたAの方が、お悩みのヒップラインを隠せますしお持ちのパンツスタイルにも使いやすいデザインです!
Bもトレンドのデザインでお似合いですが、Aの方がお話いただいたお悩みを気にせずお使いいただけるのでおすすめです。
ダメな例はとても褒めてくれて気分はいいと思うのですが、決定打にかけます。
いい例だと悩みの解決と購入した後の明確なメリットを提示してあるので決定打となり得ます。
ちなみにこの場合Aばかりを褒めて伝えると「Aを売りたいのかな」と思われやすくなります。
AとBを比較して「なぜBではなく、Aがおすすめなのか」というお伝え方を意識してください。
注意すべき発言方法
勢いと熱意だけでおすすめしない
いいですよ!おすすめですよ!だけでおすすめしない事です。
何がいいのか、なぜおすすめなのかを明言しないと、不信感がたまり商品決定から遠ざかります。
特に初心者は知識や経験が不足しているため、とにかく褒めて買ってもらおうとする方が多いです。
一朝一夕で身につくものではないので時間がかかりますが、
おすすめと思ったなら、自分なりの理由をしっかりお話しするように心がけて下さい。
合わないと感じる部分はしっかりと伝える
もし悩まれている商品で、お客様の要望に合わないなと感じる部分があればしっかりとお伝えしてあげてください。
注意すべき点は、「自分が」お客様に似合わないと感じる点をお伝えするわけではないです。
例えば、色で悩まれている方に
・「お客様に、(私は)〇色はあまりお似合いにならないと思いますよ」
・「〇色が今のトレンドなので選ぶなら(私は)そちらがいいと思いますよ」
などこのような事を伝えるわけではありません。
お客様を主体としてお伝えすると
・「ダークカラーを好まれるお客様だと、〇色はお持ちのアイテムと組み合わせが難しくなると思うので、〇色の方がお使いいただきやすいと思います。」
・「〇色が今トレンドでそちらが人気色ですが、落ち着いたカラーの〇色の方がトレンドに左右されづらくて長くお楽しみ頂けておすすめですよ。」
このように「ダークカラーが好きだから」「お持ちのアイテムと組み合わせが難しい可能性があるから」と購入後のお客様を考えた提案をする事。
また、「トレンドよりも落ち着いたカラーで長く楽しめるアイテムがお好みなお客様だから」と今回の購入のためではなく、長くしっかりと満足していただくためのアドバイスを行っています。
クロージングはお客様主体の発言が重要
クロージングは商品提案が上手くお客様の心理に寄り添えなかった際の手段と考えた方がいいです。
私はアプローチの際にしっかりお悩みを聞き取れ、アドバイスや納得のいく提案ができていればお客様の背中を押す作業が必要になる事は少ないと思っています。
重要なのは
お客様主体の考えで明言する事です。
接客においてクロージングが必要になる場面が多いスタッフは、提案でもアドバイスでも自分主体や他人を主体とした濁らせた発言をする方が多いです。
口癖で「いいと思いますけど」や「皆さんに人気で購入されます」「私も今着ているんですよ」など
お客様をメインに考えていない場合が多いです。
意識せずに上記の発言をしておすすめしていませんか?
商品決定に関わる「最終局面」は「自分がお客様の立場だったら何に悩んで、なぜ決定に迷うのか」をしっかり考える癖をつけてください!
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