・これから接客業に挑戦する
・中々販売につなげることが出来ない
・接客の挨拶で注意を受けて悩んでいる
「これから接客業を始める」「接客業をしているけれどうまく購入に繋がらない」
など接客に悩んでいませんか?
この記事を読むことで接客の基礎知識とコツやポイントを理解することが出来ます。
この記事の執筆者

専門学校で接客に関して学び、その後10年以上接客業に勤務。
ドラッグストア、スイーツ店、医療関係、美容系など様々な分野で就業し数年にわたり部下教育にも関わりました。
接客経験の中で培ってきた経験と知識を交えコツやポイントをお話します。
今回は接客をするうえで基本となる「あいさつ」とは何なのか?どんなポイントがあるのか?
という基礎中の基礎をお伝えします。
ポイントを知り、コツを抑えるだけで購入に繋がるきっかけとなります。
アルバイトや就職で接客業についた方は恐らく様々な研修を受けたり、先輩方から指導を頂いているかと思います。
私の考えですが、接客業に正解はありません。
なぜかというと、十人十色のお客様に必ず合う接客方法はないからです。
お話好きの方もいれば、一切話したくない方もいます。
結論として、接客業は「失礼な態度をとらず不快な思いをしないように心がける」事で購入に繋がる。
挨拶をしっかりと行えないスタッフはどんなに知識や技術があっても購入には繋がりません!
- 接客における挨拶への考え方
- 挨拶のポイントやコツ
- してはけないポイント
この記事を読んで頂ければ、接客初心者の方でもすぐに実践できる挨拶のコツとポイントが理解できます。
特に挨拶のタイミングがわからない、苦手と感じる方は得るものきっとありますよ。
接客における挨拶の重要性
まず接客における挨拶で必ず押さえるべきポイントをお話します。
- 必ず全員のお客様にご挨拶する
- 自分(スタッフ)が先にご挨拶する
まずはこの2点は必ず意識して行ってください。
誰か別のスタッフが挨拶したから自分はしなくていいや。
来店したお客様は遠くに居るし、まだ挨拶しなくていいか。
このような考えはしないように注意してください。
挨拶はどのようなシチュエーションが考えられるか見ていきましょう。
来店やお出迎え
すぐに思い浮かぶのはお客様が来店された際やお出迎えの挨拶ではないでしょうか。
「いらっしゃいませ」「こんにちは」などの基本的な場面ですね。
初心者の方はまずは簡単に「いらっしゃいませ」と「こんにちは」などの簡単な挨拶をこなせるように意識しましょう。
例えばカウンターの様に定位置にいるような職場の場合は、ドアが開く瞬間の対応を重要視してください。
店舗の雰囲気や扱うアイテムにもよりますが、自分の目の前に来る前にきちんと挨拶を行える状態を整えておくことが重要です。
挨拶で声を出すタイミングは入店時に発する場合とある程度近づいた際に発する場合があるかと思いますが、どちらにせよ「いつでも挨拶できますよ」の姿勢であることがポイントです。
一方、アパレルなどの店内を自由に出入りできる店舗の場合は「やまびこ挨拶」に注意してください。
初心者の方は特に研修などで習う可能性が高い手法ですが、行う意味と効果をしっかり考えながら行ってほしいです。
やってはダメなやまびこ挨拶は以下の2点
- すぐにやまびこの様に声を出す
- 他の人が言ってるから、挨拶する
私はやまびこ挨拶自体は悪い挨拶法ではないと思いますが、考えなしに行ってしまうと「機械的に心のこもっていない挨拶」になってしまいます。
お客様の立場になって考えてください。
入店しスタッフに「いらっしゃいませ」と挨拶をされました。
すると、店内にいる他のスタッフがこちらを見ずに「いらっしゃいませ」と言っている。



ものすごく不愉快じゃないですか?
本当に「いらっしゃい」と思っているの?
店内のスタッフに来店を知らせたり、万引き防止の効果など様々なメリットがありますが、あくまでもお客様に向けての挨拶です。
挨拶が聞こえたら、まずはお客様の来店を確認して近くにいればご挨拶して、声の聞こえにくい位置にいらっしゃる場合は近くに来られた際に挨拶をすればいいです。
※企業によっては離れた場所にいても挨拶をするように指導を受ける場合があると思います。
その際はしっかりとお客様に向かって挨拶をするように心がけてください。
集客力アップの挨拶
私は「集客のための挨拶」とは百貨店やファッションビルのような店舗で自店の外を歩いている方へ向けたものや、セールのお知らせをしている際の挨拶と考えています。
この挨拶のポイントは「お客様の来店のハードルを下げる」「店内の雰囲気を盛り上げるため」という認識でやるべきです。
どちらも基本的に、独立店ではなく百貨店やビルに入っている店舗の話になってきます。
まず、「お客様の来店のハードルを下げる」ですが
気になるけど入ろうか悩むなと感じているお客様にご挨拶することで、お客様が入っていいんだと感じ入店を促すことが出来ます。
「店内の雰囲気を盛り上げる」というのは、来客数が少なく店舗にお客様がいない状態で道行くお客様に挨拶することで、お客様を迎える準備が出来ているというアピールと活気を出すために行います。
ポイントとコツですが、様々な言葉を織り交ぜる事です。
「いらっしゃいませ」だけを言い続けていると機械的な挨拶になりますし、意外とお客様に伝わります。
挨拶をするポイントは目があった人や店内を見ている人に声をかける事です。
「いらっしゃいませ」「こんにちは」「○○セール行っています」「●入荷しております」など様々なバリエーションを考えておくことが大事です。
特に初心者の方は「いらっしゃいませ」を連発しがちです。



そんな時は「挨拶しない」というのも手です。
言ってることが違うじゃないかと思いますよね。
全く挨拶をしないという意味ではなく、
私が言いたいのは「挨拶はお迎えする気持ちが重要で、声を出しての挨拶が必ずしも必要とは限らない」と考えています。
いらっしゃいませの間に笑顔を混ぜるのです。
「いらっしゃいませ」「こんにちは」
「ニコッ(会釈)」
「店内セール行っております」「いらっしゃいませ」
「ニコッ(会釈)」
このような感じです。
会釈をしたときにお客様としっかり目があえば、その時に挨拶をすればいいです。
そこから「いらっしゃいませ!そちら可愛いですよね」など接客に繋がる場合もあります。
リピートに繋がるお見送り
お見送りは会計を終えられたお客様がお帰りの際や、もしくは店内をご覧いただき帰られる方に向けての挨拶です。
ポイントは2点です。
- 自分が対応していなくても帰られる方に「ありがとうございました」を言う
- 購入しなかった方にも必ず「ありがとうございました」などを言う
基本的には購入しようがしまいが必ずお礼を言う事です。
「(ご購入いただき)ありがとうございました」
「(足を運んで頂き)ありがとうございました」
「(当店を選んで入店いただき)ありがとうございました」
このような気持ちで挨拶をしてください。
お辞儀をするかなどは別の機会にお話ししたいと思います。
番外編・お客様以外に対しての挨拶
意外なポイントとして
お客様以外に対しての挨拶もかなり重要という事です。
- 店舗の社員(本社などから来たスタッフや社員)
- 近隣店舗のスタッフ
- 荷物を持ってきた配達業者の社員
- 清掃員
- その他関係者
このような方の事です。
「お疲れ様です」や「ありがとうございます」もしくは通常の挨拶です。
こういった挨拶はお客様は見ているものです。
「え、客以外には態度悪いんだ」
「休憩に向かってるスタッフの人店内に入った瞬間挨拶してる」
みたいに思われてしまったら大変です。
初心者の時は誰が関係者かわからないと思います。
「お客様かと思ったら社員だった」なんて事沢山あります。
それでいいんです。挨拶は人間の基本のキ!
まずは笑顔で挨拶して雰囲気のいいと思っていただければ満点です。
お客様目線のあいさつのポイントとコツ
それでは、実際に挨拶をする際に重要なポイントとコツは何なのかという話ですが、
「お客様に向かって、お客様が理解できる挨拶をする」という事です。
当たり前のことですが、仕事で商品の管理や、発注など他の業務を行うようになるとおざなりになってしまう重要なポイントです。
頭ではわかっていても、今一度出来ているかと復習のつもりでお聞きください。
表情・目線が最重要ポイント
基本は「笑顔」です。
笑顔と言っても微笑むくらいのものから全力の笑顔までありますよね。
ひとまずは自分がされて嫌にならない程度の笑顔を心掛ければ大丈夫です。
初心者で気を付けなければいけない点は「真顔にならない」ことです。
何か作業をしていたり、集中していると人間真顔になってしまうものです。
常日頃から口角を上げるだけで印象が変わります。
なぜこの日頃から口角を上げるようにお伝えしているかと言うと
真顔だった人間に急に笑顔であいさつされて気持ちがいいですか?
完全に「接客だな」と感じませんか?
今はマスク生活で口元が見えない状態がほとんどですが、だからこそより意識してください。
笑顔は目元や声のトーンなど接客に関わる全ての部分に影響を及ぼします。
笑顔は基本でありながら一番難しいと私は思います。
次に目線です。
本当に基本をお伝えしている様で申し訳ないですが、
目を見て挨拶をしてください。
出来てるし、当たり前のことを言わないで欲しいと聞こえてきそうですが、
本当に出来ていますか?
10年以上接客に携わっていますが、気を抜くと私は出来ていません。
例えば、品出しをしているとき作業は止めてお客様の方を向いて挨拶をします。
その時に、ちゃんと目を見れていますか?
作業中の手元を見ていたり、納品書を見ていたり、ちらっとお客様の顔は見たけどすぐに仕事にとりかかったり・・・
そういう部分に注意が必要という事です。
ちょっとしたことですし、お客様も恐らくそこまで気を留めていないと思います。
ですが、お客様は無意識に「丁寧に扱われていないな」と感じています。
このような挨拶をされたスタッフが「そちらの商品人気でして~」なんて笑顔で来られた時には、
(いやさっき挨拶めっちゃ適当だったじゃん)と思いませんか?
挨拶は次のトークに繋がる懸け橋です。
しっかりと意識して行いましょう。
身だしなみ・姿勢は接客業の基本
ここはさらっと説明できますね。
「清潔感と背筋を伸ばす」ただそれだけです。
この清潔感は業種や会社の規定にも影響されるのでここでは深くお話いたしません。
ホテルスタッフなら「もみあげなしでオールバックが基本」という場合もあれば、
アパレルスタッフなら「髪が長くても大丈夫」など、大きく差があります。
会社の規定や先輩方の様子を見ながら見定めてください。
一つ言えるのは、シワだらけの洋服やぼさぼさのヘアスタイルなどは絶対にNGです。
一般常識で考えられる清潔感は基本で身に付けましょう。
姿勢も背筋を伸ばしてキレイに立つことを意識してください。
接客業は360度色々なお客様が見ていると意識してください。
猫背やだるそうに立つだけでやる気を感じられずマイナスイメージを持たれやすいです。
声のトーン・大きさで印象アップ
声のトーンは自分が思っている少し上のトーンで声を出すことです。
特に男性はもともと声が低い場合、威圧感を与えてしまったり、声の通りが悪くなるなど
悪い印象を与えてしまう場合があります。
気持ち高めに声を出す意識をしてください。
声の大きさも普段より少し大きめを意識する事です。
挨拶なので声が届かなければ意味がありません。
例えば、自分は挨拶をしたつもりなのに、先輩などから「あいつ挨拶しない」などと言われたことありませんか?
ボソッと相手に届かない音量で挨拶をしても、お客様が聞こえていないのであれば挨拶をしていないのと一緒です。
日頃から「ちゃんと挨拶聞こえているかな?」と意識しながら行ってください。
こんな事していませんか?NG集
今までのポイントやコツと似ている部分もありますが、
ついついしてしまうNGポイントをご紹介します。
自分もやっていないか振り返りながら見てみてください。
お客様を見ない
お客様を見ずに挨拶していませんか?
目線だけでお客様を見て、見ている気になっていませんか?
お客様を見るという事は、少なくとも顔全体、出来れば体全体をお客様に向けることを言います。
作業しながらパッと顔を上げて目だけでお客様を確認して「らっしゃーせー」みたいなことが絶対に無いように注意です!
しながら挨拶は絶対に禁止
ながら挨拶も禁止です。
商品を出しながら、何かを書きながら、歩きながらなど、ながら挨拶は極力しないでください。
どうしても作業をしながらではないと出来ない場面がありますよね。
そこは正直しょうがないです。
挨拶をしないよりは、マシです。
ただ、ほんの少しだけでも動きを止める意識を持ってください。
歩きながらの挨拶は業種によっては問題ないと思います。
アパレルなどでいちいち立ち止まって挨拶なんてしてたら不自然ですし業務が出来ません。
お客様の横を通り過ぎる際などは、通り過ぎるまでにしっかりと顔を見て「いらっしゃいませ」などの言葉が言い終わる様にお声掛けください。
通り過ぎて挨拶をしても、それは挨拶ではありません。
独り言です。
雑な動きや語尾は不快感を与えます
お辞儀も頭をぺこっとしたり、「いらっしゃいませぇー」「こんちは」などとならないようにしてください。
一つ一つの動作と言葉は、一つ一つをしっかりと終わらせるイメージで行う事です。
動作も言葉もお客様に手渡しているイメージで行うと自然に出来ると思います。
乱暴に投げつけたり、あらぬ方向に投げないように気を付けてください。
挨拶をしっかり行えば商品購入数や顧客満足はアップします
今回は、接客をするうえでの基礎中の基礎、その中の基礎の挨拶に関してお話しました。
重要ポイントをまとめると
- 挨拶は自分から
- 笑顔で明るく
- 声のトーンや音量はお客様に届くように気を付ける
- 清潔感のある服装やユニフォーム
- 姿勢を正して
- お客様の顔と目を見て
- 一つ一つを丁寧に
以上を気を付けながら挨拶を行うように意識してみてください。
今回お話したことは初心者に限ったことではありません。
私の考えでは、初心者より仕事に慣れてしまったスタッフの方が出来ていません。
理由は簡単です。慣れているから、他の仕事をしているから、部下を指導しなければならないから
言い訳をたくさん並べることが出来るからです。
そして、挨拶が不十分でも怒られないのです。
ましてや店長などの役職持ちならなおさらです。
お客様もよほどがない限り挨拶に関してクレームや注意をされません。
だから自分が出来ていないことに気が付かないのです。
挨拶に関しては初心者の方は基本だと思い丁寧に行ってください。
業務についている方は「ちゃんと出来ているか」自分を振り返るつもりで実行してみてください。
挨拶の次はお客さまを待つ動的待機です。
動的待機についてはSTEP.1動的待機でしっかり解説しています。
それでは、喜んで頂ける接客を目指して一緒に頑張りましょう!


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