接客をしていて、直接お客様の対応をしていない時何をしていたらいいのか不安を感じていませんか?
・じっと立っていればいいの?
・何か作業をしながら待機するって聞いたけどどういう事?
・黙々と商品を出したり、書類を書いたりしていてればいいんでしょ?
そんなお悩みをお持ちではないですか?
お客様に商品をご紹介していない時や、店内にお客様がいらっしゃらない時は
動的待機を取る必要があります。
接客業でお客様が店内に入りやすいように行動する事や店内をご覧になっている際にお客様の対応をしやすいように注意しながら行動することを「待機姿勢」などと言い、
特に何か作業をしながら待機する事を「動的待機」と言います。
待機の姿勢はお客様が不愉快に感じないように行動する必要がありますし、お声掛け前の大事な時間でもあります。
結論として、この動的待機を取ることでお客様が店内に入りやすくなりますし、
ゆっくり商品を見る心の余裕をつくりだすことが出来ます。
動的待機でお店の滞在時間がアップし、商品提案や購入への時間を取り売り上げアップに繋がります。
私もこの待機の姿勢は試行錯誤を重ね、本や研修でも勉強しまくりました。
しかし、現在でも失敗をしたり悩んだりする事があります。
待機の姿勢はそれほど正解もなく難しいことなのです。だから待機姿勢で悩む気持ちは嫌というほどわかります。
今回はこの待機姿勢をどのように行えばいいのか、ポイントやコツは何なのかという点に関してお話していきます。
実際に行ってみてうまくいった方法も一緒にお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

現在まで10年以上接客業に就き試行錯誤を重ねてきた経験をもとに悩んでいる方や接客初心者の方がわかりやすく、
明日から実践できるようにポイントとコツをお伝えします。
動的待機に入る前に挨拶が重要です。
まずは、そちらを見て接客の最初の一歩を確認してくださいね。
- 動的待機とは何か?
- 動的待機をする際のポイントとコツ
- やってはいけないNGポイント
- 私が行ってよかった方法
動的待機とは
私の考える動的待機とは
お客様が店内に入りやすい様に、もしくは、商品を気軽に見れるようにスタッフが存在を最低限まで消すこと。
その為に動きながら、作業をしながら「店舗に動きを出す」事だと考えています。
一般的に動的待機とはスタッフが動きながら待ちましょうと言う考え方だと思います。
もちろん根本的にはそうでしょう。
ただし、必ずしもスタッフが歩き回る必要はないです。
店内にお客様がいないとスタッフは商品を出したりディスプレイを変更したり様々な作業を進めますが、
段々とやることがなくなってしまい、じっとしてしまう時間が増えます。
そのような店舗をお客様が見ると心理としては「今入るとすぐに声をかけられる」と思って中々入店されません。
その結果お客様がより入らなくなるという悪循環の誕生です。
逆にスタッフが何か作業をしていたり、忙しそうにしていると
「今なら気になる商品をこっそり見て、さっとお店から出られるかも」と気軽に入店しやすくなるのです。
そして、私はお店に入りやすい雰囲気をつくる動的待機と、商品を見やすい雰囲気をつくる動的待機の2種類があると考えています。
それでは、2つの種類の目的を詳しく考えてみましょう。
入店前の動的待機の目的
お客様が入店される前に行う動的待機には大きく分けて2つの目的があります。
- お客様が店内に気軽に入れる様な雰囲気をつくるため
- お客様が店内を安全と認識し警戒心を抱かないようにするため
少し難しく言いましたが、簡単に言うとお客様がお店の中に入りやすいような雰囲気をつくるという事です。
入店後の動的待機の目的
お客様が店内にお入りいただいた後も動的待機を続けます。
この目的も2つあります。
- お客様に店内をゆっくり見ていただくため
- 売りつけられるのではないかという威圧感をなくすため
後の話にも繋がりますが、入店いただいたお客さへの行動はウォッチングやアプローチ、ニーズの把握など具体的に商品を販売するステップに進みます。
その前段階としてお客様に
- お店にいる時間を楽しんでいただきたい
- 商品を自分の手で触ったり、考えたりする時間を楽しんでいただきたい
と考えています。
その為にゆっくりストレスなく商品を見ていただくための時間をつくって差し上げましょう。
具体的な動的待機の考えとお客様の気持ちとは
それでは具体的にどの様な流れになるのか考えてみましょう。
自分に置き換えると解りやすいと思います。
例えば何か洋服を買いに、あるお店に向かいました。
- A.洋服を畳んだり、新しい服を出したりしている活気のある店舗
- B.数人のスタッフが入口を見つめている静かな店舗
どちらが入りやすいですか?
次に店舗に入った後、あなたはまず店内を物色しています。
- A.挨拶をしてくれた後、程よい距離感で作業をしている
- B.挨拶をしてくれた後、遠くからずっと自分を見ている
どちらもAの方が居心地がよくないですか?
この店舗への入りやすさ、商品の見やすさを演出するための行動が動的待機という事です。
動的待機のポイントとコツ
それでは動的待機が重要なのはわかったと思います。
でも具体的に何をどうしたらいいの?と思いますよね。
ここからはどの様な業種でも実践できそうな動的ポイントの方法をポイントとコツを交えながらご紹介していきます。
アイテムを触る
簡単なのはアイテムを触ることです。
例えばアパレルなら商品を畳む、ストックから商品を出すなどです。
キレイに並んでいる商品を触りながら「キレイにディスプレイを直しているんです」みたいな雰囲気を出すだけで大丈夫です。
注意すべき点は、ずっとその場にいない事、同じ作業を繰り返さない事です。
「あの店員さっきからずっと、同じ服畳んでる」なんて思われないように注意してください。
掃除をする
清掃をすることもおすすめです。
店舗の清潔さにも繋がりますし、特に初心者の方であれば商品の場所などを覚えるいい機会になりますよ。
注意すべき点は、大がかりな清掃を始めない事です。
お客様に声をかけられなくなるぐらい掃除をしてしまっては本末転倒ですし、手が真っ黒に汚れてしまうなどもNGですよ。
作業をする
POPを作成したり、書類をまとめたり、備品を確認したり接客業務以外の作業を行うのもいい雰囲気をつくれます。
少し忙しそうにしているとお客様が入りやすく感じます。
注意すべきは、他の作業に集中しすぎない事です。お客様をしっかり見ていられないと意味がありません。
また、あまりにも作業に集中していると声をかけづらくなるので、すぐ手を止められる程度の作業にしてください。
やってはいけない動的待機NGポイント
それでは動的待機として絶対に行ってはいけないNG行動を見ていきましょう。
振り返ってみるとこのような事をしていませんか?
入口をじっと見ている
暇だからといってずっと入口を見ていませんか?
笑顔であろうと、何か作業をしながらであろうと入口をじっと見ることはやめてくださいね。
腕を組んだりテーブルやカウンターに肘をつく
カウンターで作業をするような形態だとやりがちです。
特に男性だと腕を組む癖がある人がいます。
ディスプレイ変更など何か考え事をしながら腕を組んでしまっていませんか?
カウンターで何か書類を書いたりする際に無意識に頬杖ついたりしていませんか?
癖がついている人もいるので一度振り返ってみましょう。
スタッフ同士でずっと話す
これはやりがちです。
レジにたまってのお喋りや、店頭でお喋りは可能な限り控えてください。
スタッフが固まっているというだけでお客様は威圧感を感じますし、
単純に仕事をせずに無駄話をしているように見えます。
ただ、私はスタッフ同士がお話するのは悪いことではないと考えています。
コミュニケーションや情報共有など関係性を築くことで店内の雰囲気も良くなりますよね。
どうしても喋りたい時は、ノートとペンやファイルと資料など仕事をしているように見せかけてください。
そうすると無駄話では無く、仕事の話をしているように見えます。



もちろん長時間のお喋りや、大声で笑ったりは禁止ですよ。
私が実践している動的待機の方法
最後は私が実践している動的待機の方法をお伝えしたいと思います。
この行動をすることでお客様にお声掛けした際にスムーズに進むことも多いですし、逆にお客様からお声掛けいただくことも増えました。
1つの方法として参考にしてみて下さい。
挨拶をする
この挨拶をするというのは目的のお客様ではありません。
店内外にいる別のお客様です。
例えば店内を回覧中のお客様がいらっしゃるとして、その付近で店外にいるお客様に挨拶を行うのです。
この時にお客様は「自分注目してるわけではないのかもしれない」
とリラックスして商品を見ることが出来ます。
また、自分以外の人にも笑顔で挨拶やアプローチをしていると
「あの店員さんいい人そう。ちょっと聞きたいことあるし聞いてみようかな?」
と思っていただける場合もあります。
ワザとお客様の近くにある商品や備品を触る
お客様の邪魔をしないという前提のもと行う話ですが、
例えばるならば、お客様が見ている隣の棚の備品を取ってみるなどです。
その際に「恐れ入ります」や「失礼します」などと言いながら近づきますよね?
そうする事でお客様は「何か別の作業をしているんだ」と警戒心が薄れます。
離れる際に一言お客様にお声掛けすることがポイントです。
- 「失礼いたしました。そちらの商品可愛いですよね?本日入荷したばかりなんです。」
- 「失礼いたしました。気になる事があれば、是非お声掛けくださいね」
などお声掛けすると、次のステップに進みやすくなります。
※お声掛けの具体的な内容などについてはまた別にお話いたします。
あくまでも、お客様の邪魔にならない行動をするという点と、「このスタッフは何か作業をしているから声かけれないな」と思われない程度の事を行うという点に注意してください。
ハンガーを取るとかパンフレットを取るとか雑誌を取るとかその程度で済ませてください。
動的待機を上手に行うと店舗にお客様が集まります
今回はお客様にお声掛けする前のステップとして
店内でお客様を待つ「動的待機」に関してお話しました。
動的待機のポイントはお客様が店内に入りやすいように、お客様が商品をストレスなく見れるように、あえて「忙しい振り」や「何か作業をしている振り」をすることです。
この動的待機をうまく行うことで、店内にお客様が気軽に入るようになり、それを見たお客様がまた入る。
そんないい循環が生まれます。
人が群がっているとついつい見てみたくなりませんか?
「何かいいものがあるのかも」「面白いものがあるのかも」なんて感じてしまう物です。
そして、店内に入ってもゆっくり商品を見れるし、聞きたい時に知りたい時に近くにスタッフがいる。
そんな居心地のいい雰囲気をつくりだせるのです。
感覚をつかむのは難しいですが、コツを掴めると購入にもつながる大きいテクニックですので、
ぜひ参考にして実践してみてください。
次回は実際にお客様にお声掛けするファーストアプローチです!
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