お客様をいざ前にして、どう話しかけたらいいのか悩んでいませんか?
・声をかけて無視されたらどうしよう?
・タイミングを逃してお声掛けできない!
・何を言ったらいいのかわからない!
このように考えてしまい声をかけるタイミングをはかっているうちに
お客様が帰られて自己嫌悪してしまったり、先輩や上司から注意を受けてしまう。
そんなことありませんか?
怒られまいと積極的にお声掛けに行っても、声をかけたとたん帰られてしまう。
初心者でよくあるお悩みだと思います。
実はこのお声掛けは幾つかのフェーズに分かれているのです。
現在まで「挨拶」「動的待機」とご紹介してきました。
その後にお客様にお声掛けをする「アプローチ」ですが、
基本的には
- 「ファーストアプローチ」
- 「ウォッチング」
- 「セカンドアプローチ」
と進んでいきます。
研修や本など多少考え方の違いで名称や順番が違う可能性があります。
しかし、初心者はこれからご紹介する流れを頭に入れていただけると、企業などで別の流れを勉強していたとしても
「なぜこのような流れでお声掛けするのか」が理解できるので臨機応変に対応できると思います。
今回はアプローチの最初のステップであるファーストアプローチに関して詳しくお話していきたいと思います。
- ファーストアプローチとは
- 売れる販売員の行っているポイントとコツ
- 明日からすぐに使えるテクニック
現在までのステップは
STEP.0挨拶、STEP.1動的待機でご紹介してます。
最初に結論をお話します
- 笑顔で少し離れたところからお声掛けする
- 内容はただの挨拶やちょっとした情報
- 可能な限り商品に関する話を最初にしない
- 無視されることが普通と思う
以上がファーストアプローチを行ううえで需要なポイントです。
それでは詳しく解説していきます。
この記事の執筆者

10年以上接客業で働き、アパレル、美容関係、洋菓子、医薬品など様々なアイテムを扱ってきた経験と販売キャンペーンで表彰を受けるほどの実力を身に着けてきた知識を活かし初心者に向けての接客のコツやポイントをお伝えします。
ファーストアプローチとは
まずファーストアプローチとは
お客様への接客の始まりの事です。
先述した「挨拶」が不特定多数のお客様へだとしたら、
ファーストアプローチで初めて「個人への接客が始まる」のです。
それではどのようにお声掛けが始まるのかをお話します。
動的待機からのお声掛け
まずは動的待機を行いながらお客様が商品に興味を持つ時間をおつくりします。
私の考えるファーストアプローチの目的は
- お客様の来店を歓迎している事をお伝えする
- 私(スタッフ)はあなた(お客様)をちゃんと意識していますとお伝えする
この2つを意識して、「私はあなたとお話がしたいんです」と言う気持ちでお声掛けをし、
警戒心を減らすことが最終目的にとなります。
このお声掛けにはポイントがあります。
最初の声掛けはただ挨拶をするという事を意識してください。
うろうろと店内を見ているお客様に「こんにちは、暑いですね」や
少し商品に興味を持っていそうな方に「いらっしゃいませ、そのシャツ色きれいですよね」とお声掛けするだけでいいのです。
何を言ったらいいのか本当に迷ってしまうという方は「こんにちは」「いらっしゃいませ」を言うだけで100点満点です。
なぜならば、この段階では商品の特徴やおすすめポイントを紹介するタイミングでは無いからです。
この段階では「何を見ているのか」「何が欲しいのか」「買うつもりなのか、見てるだけなのか」何もわからないですよね。
暇つぶしで入っただけかもしれないのに、「この商品はココがポイントで~ココがおすすめで~」なんて言われたら、
すぐにお店を出たくなってしまいます。
別にそのアイテムが欲しいわけではなく「これなんだろう?」と触ってみただけなのに
「そちら人気商品なんですよ~よろしければ鏡で合わせてみませんか?」と言われたら「大丈夫です・・・」となってしまいます。
初心者の方に多いのがこの間違いです。
商品を売らなければ、声をかけなければという思いが先行しすぎてしまい、余計なことを話しすぎているのです。
その時のお客様は「何か売りつけられそう」、「ただ見てただけなのにちょっと邪魔だな」と感じてしまい、
最悪の場合買うつもりはあったけど別のお店に行こうと思ってしまうのです。
商品の説明やご提案は次の段階で行います。
まずはお客様を歓迎するお声掛けを行ってください。
ファーストアプローチの時点では別に商品を紹介するタイミングではないのに
初心者の多くはここで売ろうと考えてしまうので帰られてしまうお客様が多いのです。
中級~上級者向けのファーストアプローチ
基本的には初心者の方や慣れていない方は挨拶だけでいいと思います。
ただ、もちろんこの後の販売につなげるためには、ほんの少しだけ商品もしくはお客様に対する一言をプラスするように訓練していきましょう。
ファーストアプローチに慣れてきたらどのようなお声掛けを意識すればいいのでしょう。
パターンのご紹介と具体的な例をご紹介していきます。
情報もお伝えする
手に取っている商品に関しての情報をお伝えする方法です。
本来は商品の話題から入らないほうがいいのですが、「そうなんだ」「へー他のも見てみようかな」くらい思っていただける程度で伝えてみる方法です。
「それってこういう特徴あるんですよ。私だったらお客様が気になる事沢山お伝え出来ますよ~」という気持ちでお声掛けする事がポイントです。
- 「そちらものすごく伸縮性が良くて伸びるんですよ」
- 「そちら鞄は水の中に入れても中身濡れないぐらい防水性高いんですよ」
このようにお客様が見ている商品を一目見ただけではわからず、なおかつインパクトのある情報を伝えるのです。
気を付けていただきたいポイントが「はい」を誘う問いかけをすることです。
よくアパレルショップなどであるのが、「その服かわいいですよね?」と言われたら「はい」と思わず言ってしまいませんか?
こうなると別に興味がなくても、スタッフは「このアイテムをかわいいと思っていて自分の問いに答えてくれた、よし他のもご紹介しよう!」とご紹介を始めてしまいます。
別に大した意味もなく返答しただけなので、あなたの中では「どうやってこの場から立ち去ろう」「どうやって断ろう」という意識だけが強くなります。
もうお分かりですよね?
「今回はちょっと考えます」と逃げ出す回答に繋がるのです。
商品に関してファーストアプローチする際は、「実は~」と秘密を教えて差し上げるようなキーワードを意識してみてください。
お話をする
もう一つのパターンは雑談をすることです。
天気の話やお客様のお召し物に関して、お連れのお子様に声をかけるなどです。
「貴方(お客様)に興味がある」というアピールをすることで警戒心を減らせます。
注意点は男性スタッフが女性のお客様に対してむやみやたらにお洋服などをほめない事です。
いくら店員とお客様という関係だとしても不快感を感じてしまう可能性があります。
警戒心が減るとお客様が話を聞いてほしくて、質問をしてくださったり、相談をしてくださるなどそこから提案に移ることができます。
ファーストアプローチのポイント
笑顔と清潔感を忘れずに
常に笑顔、微笑みを意識してください。
暗い顔や浮かない表情で声をかけられると買いたいという気持ちが少なくなってしまいます。
店舗の顔として清潔感のある身だしなみと姿勢で自信をもってアプローチしてください。
それだけでもお客様からの印象はアップしますよ。
お声掛けのタイミングで印象が変わる
基本的にすぐに声をかけないように注意してください。
店内に入ったお客様は初来店であれば、どんな商品があるのか、どんな雰囲気なのか期待と不安が入り混じった気持ちでいます。
そんな中入って直後に声をかけられるとびっくりしたり、売りつけられるのではないかとという気持ちになってしまいます。
まずは挨拶から入り、どんなに早くても一呼吸おいてからお声掛けします。
その際に反応や雰囲気が好印象であればプラスでお話を進めてください。
逆に、リピーターのお客様で既にスタッフと関係性を築けている場合は是非入店後早めにお声掛けしてください。
「新しい情報が知りたい」、「スタッフと話をしたい」と思って来店されている可能性が高いです。
ただしそこでも「○○様いらっしゃいませ。新しい商品が入荷したんです。見ていかれませんか?」
なんて買ってほしいことがまるわかりな商品紹介から始めない事です。
あくまでも、来店の歓迎から行う事です。
「○○様いらっしゃいませ。本日は足元の悪い中ご来店頂き誠にありがとうございます。」や「○○様いかがお過ごしですか?」であったり、「前回購入された○○いかがですか?」など前回の出来事や購入品と絡めてお話すると覚えてくれていたと喜んで頂けますよ。
明日から使えるテクニック
少し気を付けるだけで購入への糸口にもなりえるテクニックをいくつかご紹介します。
私も意識して行っていることで実際に効果があったものばかりです。
「よろしければ」を使わない
出来る限り、よろしければという言葉を使わない事です。
例えば洋服を合わせたり、何かを試すのはお客様の自由です。
そもそも気になったら試すことが出来るため店舗に来店されるのです。
このフレーズを「是非」や「せっかくなので」などで言い換えると特別感が出ます。
- 「お客様にとてもお似合いになると思います。是非一度試着してみませんか?」
- 「せっかくご来店いただいたので是非お試しいただきたいです!」
なんて言われたら嫌な気はしませんよね。
初心者の方の定型フレーズとしても「よろしければ鏡で合わせてください。」よりも「ぜひ鏡で合わせてください。」
と言われた方が「あ、じゃあ試してみようかな・・・」と心が動かされますよ。
イヤホンの方へのお声掛けの極意
イヤホンの方は声をかけられたくないと思っている場合も多いです。
イヤホンをしている際に声をかけてしまうと、わざわざ音楽を止めたり、イヤホンを外すという手間をつくらせてしまう可能性があります。
少し近くでご挨拶をしてみて目を見て反応をしてくださるか?聞こえているのか?を少し探ってみるのが無難です。
イヤホンをしているから全く声をかけなくていいわけではないので注意してください。
無視は気にしない
正直無視をされるのが普通だと思ってアプローチをすると気が楽です。
反応してくれたらラッキーくらいでどんどんアプローチをかけてください。
続けるうちにお客様のタイプや雰囲気を察知できるようになり、
言葉のチョイスなどバリエーションも増やせるので練習と思ってチャレンジしてください。
無視されたと落ち込む必要はありません。



私も10年以上接客をしていますが、無視をされたり塩対応のお客様は沢山いらっしゃいます。
正直私も人見知りなので最初のお声掛けには塩対応をしてしまうこともあります。
しかし、お話をしたくないわけではありません。
きっとお客様もそういう気持ちなんだと思ってこれからのセカンドアプローチに進んでいくのです。
ファーストアプローチはお客様との関係性を築くことが重要
今回は接客のスタートであるファーストアプローチに関してお話しました。
ポイントは笑顔でお客様にお声掛けし警戒心を少なくし関係性を築く事を意識する点です。
実際に商品の特徴や提案などはこの後に続く「セカンドアプローチ」でしっかりとしていきます。
まずは商品に関しての内容ではなく、お客様とお話をすることが重要となります。
ファーストアプローチのステップとしてはこのような流れで行います。
- 笑顔で少し離れたところからお声掛けする
- 内容はただの挨拶やちょっとした情報
- 可能な限り商品に関する話を最初にしない
意識する事はこの3点です。
- 入店後すぐにお声掛けしない(一呼吸置く)
- 自分の事を受け入れてもらうように意識する
- 無視されるのが普通という気持ちでお声掛けする
以上のポイントを意識すればファーストアプローチも簡単に行え商品の購入もつながるようになりますよ!
初心者にとっては最初の難問となりえる部分です。
難しく考えすぎず声をかけるのが一番重要ですよ!
ビクビクしながら不安たっぷりで話しかけるとお客様に伝わってしまいます。
まずは、商品の事は置いといてお客様と楽しく会話をすることを意識してお話してみてください。
お客様は商品を売りつけられたいわけではありません。
相談したい、おすすめを知りたい、楽しい時間を過ごしたいそんな気持ちです。
ファーストアプローチに重要なのはこの意識を変える事です!
コメント